大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和25(あ)1913 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。

当審における訴訟費用は全部被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意について。

論旨は、縷々愬えてはいるが、すべて、刑訴法第四〇五条所定の事由を主張する

ものとは認め難い。

弁護人池田一の上告趣意について。

原判決が証拠として採用した各供述調書が任意の供述を録取したものではないと

か、被告人がこれ等を証拠とすることに異議をはさんでいたとかいう事実はこれを

認めるに足る証拠がなく、却つて第一審第一回公判調書によれば、被告人は同公判

で、右供述調書を証拠とすることに同意していたことが明らかである。したがつて、

論旨前段の憲法違反の主張は、既に、その前提において失当である。

次ぎに、原判決が証拠としている被告人の自白は、昭和二十五年一月七日の第一

審公判における自白で、しかもそれは昭和二四年一二月二三日の犯行に関するもの

である。そして、記録によると、被告人が逮捕されたのは同年一一月二二日で、勾

留されたのは同月二四日であるから、右自白は逮捕後四七日目、勾留後四五日目、

犯行後一六日目のものであつて、本件事案に則して考えると、同自白を以つて不当

に長く抑留若しくは拘禁された後の自白ということはできない。したがつて、論旨

中段の憲法違反の主張も採用できない。

更らに、原判決は、被告人の自白の外に、数多の証拠を掲げており、しかもそれ

等は被告人の自白を補強するに足るものであるから同判決を以つて、被告人の自白

だけで有罪と断定したものということはできない。したがつて、論旨末段の憲法違

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反の主張は、既に、その前提において採用し難い。

なお、本件については、刑訴法第四一一条を適用すべき事由を認められない。

よつて、刑訴法第四〇八条刑法第二一条刑訴法第一八一条第一項により、裁判官

全員一致の意見を以つて、主文のように判決する。

昭和二五年一二月二八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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